純有利子負債が本業の稼ぎ(EBITDA)の何年分か。
投資での見方:低いほど借金の重さが軽い。高いと財務リスク。
純負債/EBITDAは、純有利子負債(有利子負債 − 現金)を、本業の年間の稼ぎ(EBITDA)で割ったもの。「今の稼ぐ力で、純有利子負債を返すのに何年分かかるか」の目安だ。マイナスは、現金が有利子負債を上回る=実質無借金を意味する。
バリュー投資で財務の安全性を測る中心的な指標の一つだ。借入は事業を伸ばす道具にもなるが、返せなくなれば命取りになる。純負債/EBITDAが低い(またはマイナス)ほど、不況や金利上昇に耐える余力が大きい。
自己資本比率が「資産に占める自己資本の厚み」を見るのに対し、純負債/EBITDAは「稼ぐ力に対する借金の重さ」を見る。ストック(残高)とフロー(稼ぐ力)の両面から財務を確かめると、安全性の解像度が上がる。
いまJINGIがカバーする銘柄の中で、この概念が顕著に現れている一社が 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)。純負債/EBITDAは-38.5倍で、純有利子負債は -696155.7億円(マイナス)=有利子負債より現金が多く、実質無借金にあたる。
ほかに財務が軽い例:フリー株式会社(-28.1倍)、BASE株式会社(-13.9倍)。
選抜は純負債/EBITDAが低い順=財務の軽さが顕著な例で、銘柄の優劣や投資判断を示すものではない。カバー銘柄や決算の更新に応じて自動で入れ替わる。数値は概念の例示である。
EBITDAは設備投資・利息・税を引く前の数字なので、稼ぐ力をやや大きく見せる。設備投資の重い事業では、返済に回せる実際の現金はこれより小さい。
低い(軽い)=良い、と単純化しない。適度な借入を成長に使って高いリターンを上げる会社もある。無借金が常に最善とは限らない。
業種で標準が大きく違う(不動産・インフラは高め、ソフトウェアは低め)。純負債/EBITDAは「借金の重さを稼ぐ力で測る物差し」であって、投資判断の信号ではない。業種をそろえて見る。