現金から有利子負債を引いた、正味の手元現金(=実質キャッシュ)。
投資での見方:厚いほど手元の純現金が多いことを表す。マイナスは有利子負債が現金を上回る状態。
会社が「いくら現金を持っているか」だけを見ても、借金と相殺すると手元に残る正味の現金は変わる。ネットキャッシュは、現金・預金から有利子負債(利息のつく借入金・社債)を差し引いた、正味の手元現金だ。
バリュー投資でネットキャッシュを重視するのは、それが下値の「安全域」の手掛かりになるからだ。純現金が厚い会社は、事業が一時的に苦しくても資金繰りに余裕があり、株価が本質価値を大きく割り込みにくい。時価総額の相当部分が純現金という状態は、事業の値段が見かけより小さいこと(実質PERが低く出ること)にもつながる。
逆にネットキャッシュがマイナス(純有利子負債)なら、現金より借金が多く、金利上昇や業績悪化への耐性が下がる。手元現金の「正味」を見るのが出発点になる。
いまJINGIがカバーする銘柄の中で、この概念が最も顕著に現れている一社が 株式会社はてな(3930)。現金21.2億円から有利子負債0百万円を引いたネットキャッシュは21.2億円で、時価総額の75%に相当する。
ほかに純現金が厚い例:株式会社マクアケ(純現金は時価の64%)、BASE株式会社(純現金は時価の63%)。
選抜は純現金÷時価総額が厚い順=この概念が最も見えやすい銘柄で、銘柄の優劣や投資判断を示すものではない。カバー銘柄や決算の更新に応じて自動で入れ替わる。数値は概念の例示である。
現金の「質と使途」で意味が変わる。運転資金として常に必要な現金や、特定目的に紐づく現金は、額面ほど自由に使えないことがある。
純現金が厚いこと自体は良し悪しでない。株主に還元されず低利回りで滞留する現金は、資本効率(ROE・ROIC)を下げている可能性がある——「安全」と「非効率」は表裏。
ネットキャッシュは一時点の残高。増資や社債発行の直後は膨らみ、大型買収や還元で急減することもある。時系列と使途で見る。