事業価値(時価総額+純有利子負債)を本業の稼ぎで割った倍率。
投資での見方:借金も込みで会社全体をいくらで買えるか。低いほど、稼ぎに対する会社全体の値段が小さいことを表す(水準は業種で異なる)。
EV/EBITDAは、企業価値(EV=時価総額+純有利子負債)を、本業の年間の稼ぎ(EBITDA=営業利益に減価償却などを戻した、設備投資前のおおまかな営業キャッシュ創出力)で割った倍率だ。「借金も込みで会社全体を買ったとき、本業の稼ぎの何年分の値段か」を表す。
PERとの違いは分子・分母の両方にある。PERは株価(株式のみ)÷純利益(税・利息のあと)だが、EV/EBITDAは借金込みの買収価格を、税・利息・会計方針の影響を受けにくいEBITDAで測る。資本構成や税率が違う会社どうしを比べやすく、買収の目線に近い。
低いほど本業の稼ぎに対して会社全体の値段が小さいことを表すが、水準は業種と成長期待で大きく変わる。安定した成熟事業は低め、高成長事業は高めに出るのが普通だ。
いまJINGIがカバーする銘柄の中で、この概念が顕著に現れている一社が ベースフード株式会社(2936)。EV/EBITDAは59.22倍で、市場が本業の稼ぎに対してこの水準で会社全体を評価している。
ほかにEV/EBITDAが高い例:任天堂株式会社(37.62倍)、株式会社エクサウィザーズ(31.05倍)。
選抜はEV/EBITDAが高い順=市場が本業の稼ぎに対して最も高く評価している例で、割安・割高や投資判断を示すものではない。カバー銘柄や決算・株価の更新に応じて自動で入れ替わる。数値は概念の例示である。
EBITDAは減価償却を戻すため、設備投資の重い事業では「本当に使える現金」を過大に見せる。設備投資や運転資本を引いたFCFとあわせて見ないと、稼ぐ力を過信しかねない。
低いEV/EBITDAは割安を意味しない。市場が将来の稼ぎの減少を織り込んでいれば、低倍率は「安いなりの理由」の裏返し(バリュートラップ)でもある。
利息・税・資本的支出を無視した指標である点に注意。EV/EBITDAは「借金込みの値段を稼ぎで測る物差し」であって、投資判断の信号ではない。業種をそろえて比べる。