企業価値を売上で割った倍率。
投資での見方:赤字でも使える。業種で水準が大きく違う。
EV/売上は、企業価値(EV=時価総額+純有利子負債)を売上で割った倍率だ。「借金込みの会社全体の値段が、売上の何倍か」を表す。利益が出ていない(赤字の)会社でも計算できるのが特徴で、まだ利益化していない成長企業の評価によく使われる。
バリュー投資での位置づけは補助的だ。売上は利益や現金より「価値からの距離」が遠い。EV/売上が同じでも、利益率が高い会社と低い会社ではまるで価値が違う。だからEV/売上は、利益率(営業利益率・FCFマージン)とセットで初めて意味を持つ。
業種と利益率で水準が大きく変わる。高い利益率が見込める事業は高いEV/売上でも正当化されうるし、薄利の事業は低くて当然だ。水準の高低より、利益率の裏付けがあるかを見る。
いまJINGIがカバーする銘柄の中で、この概念が顕著に現れている一社が 株式会社ispace(9348)。EV/売上は20.30倍で、市場が売上に対してこの水準で会社全体を評価している。
ほかにEV/売上が高い例:任天堂株式会社(6.12倍)、トヨクモ株式会社(5.39倍)。
選抜はEV/売上が高い順=市場が売上に対して最も高く評価している例で、割安・割高や投資判断を示すものではない。カバー銘柄や決算・株価の更新に応じて自動で入れ替わる。数値は概念の例示である。
EV/売上は利益・現金を無視する。売上倍率が低くても、利益が出ない・出せない事業なら価値は乏しい。利益率とセットで見る。
低いEV/売上は割安を意味しない。薄利や構造不況を市場が織り込んでいれば、低倍率は「安いなりの理由」でもある。
EV/売上は「売上に対する会社全体の値段」を測る補助的な物差しであって、投資判断の信号ではない。利益率・成長・業種をそろえて見る。