営業で得た現金から設備投資を引いた、株主が自由に使える現金。
投資での見方:会計上の利益より「本当に手元に残る現金」。配当・自社株買い・成長投資の原資。
会計上の「利益」は、現金の出入りとは必ずしも一致しない。減価償却のように現金が出ていない費用もあれば、売掛金や在庫のように利益に計上されても現金化していないものもある。
オーナー利益(FCF=フリーキャッシュフロー)は、本業で得た現金(営業CF)から、事業を維持・成長させるのに必要な設備投資を引いた、株主が自由に使える現金だ。配当・自社株買い・借金返済・成長投資の原資はすべてここから出る。
バリュー投資が純利益よりFCFを重視するのは、「会社を丸ごと持っていたら、毎年いくら現金を引き出せるか」という所有者目線の実力値だからだ。利益は意見、現金は事実、とも言われる。
いまJINGIがカバーする銘柄の中で、この概念がよく現れている一社が 株式会社ビザスク(4490)。営業CF12.9億円から設備投資を引いたFCFは11.6億円(営業CFの90%)で、会計上の純利益8.9億円とは水準が異なる。
ほかにFCFを強く生む例:ニフティライフスタイル株式会社(営業CFの93%がFCF)、株式会社マクアケ(営業CFの99%がFCF)。
選抜はFCF利回り(FCF÷時価総額)が高い順=この概念がよく現れる銘柄で、銘柄の優劣や投資判断を示すものではない。カバー銘柄や決算の更新に応じて自動で入れ替わる。数値は概念の例示である。
FCFが純利益より大きい年もあれば小さい年もある。単年で判断せず、数年の推移でならして見る(設備投資は年で凸凹する)。
FCFが高いのが「稼ぐ力」ゆえか、「設備投資を絞った」ゆえかを区別する。必要な投資を削ってFCFを見かけ上厚くしている場合、将来の競争力を犠牲にしていることがある。
成長企業は投資が先行してFCFがマイナスのこともある。FCFの低さ=悪ではなく、投資が将来のリターンに繋がるかで評価が変わる。FCFは「現金を生む力の物差し」であって、判断の信号ではない。