新株発行などで1株の価値が薄まる度合い(%)。
投資での見方:大きいと既存株主の取り分が減る。
希薄化率は、新株発行(増資・ストックオプション・転換社債など)で、1株の価値がどれだけ薄まるかの度合いだ。株数が増えれば、同じ利益・純資産でも1株あたり(EPS・BPS)は目減りする。既存株主の“取り分”が薄まる分を表す。
バリュー投資で希薄化を見るのは、それが「1株の価値」を静かに削るからだ。会社全体が成長しても、増資で株数が増え続ければ、1株の株主にとっての価値は増えない。成長の裏で希薄化が進んでいないか、EPS・BPSの推移と株数の増減を併せて見る。
希薄化は必ずしも悪ではない。調達した資金が高いリターンを生めば、薄まりを上回る価値を作れる。問題は、薄まりに見合うリターンが出ているか。逆に自社株買いは株数を減らし、1株の価値を高める(希薄化の逆)。
希薄化率が高い=悪い、とは限らない。調達資金が薄まり以上のリターンを生めば正当化される。薄まりとリターンをセットで見る。
ストックオプションなど、将来の潜在的な希薄化(潜在株式)も見落とさない。今の株数だけでなく、希薄化後(完全希薄化)でも確かめる。
希薄化率は「1株の薄まり」を示す事実であって、投資判断の信号ではない。EPS・BPSの推移・調達の使途と併せて読む。