数年ぶんの営業CFの合計。
投資での見方:一時的な変動をならした「稼ぐ現金の実力」。
累計営業CFは、数年ぶんの営業キャッシュフロー(本業で実際に出入りした現金)を合計したものだ。単年の営業CFは、設備投資の波や運転資本の増減で大きく振れる。数年を足しあわせることで、一時的な凸凹をならした「稼ぐ現金の実力」が見えてくる。
バリュー投資が単年でなく数年で見るのは、代表性(好況・不況・平常のどれか)を掴むためだ。好況の一年だけを見れば実力を過大評価し、投資がかさんだ一年だけを見れば過小評価する。累計は、その両方をならす。
純利益の累計と比べると、利益の質が見えてくる。数年ならして営業CFが純利益に届いていれば、会計上の利益が現金で裏付けられている。継続して届かなければ、利益の実在性に注意が要る(利益の質・アクルーアル)。
累計営業CFは、FCF(オーナー利益)やネットキャッシュの厚みの“源泉”でもある。稼いだ現金がどれだけ積み上がり、それが配当・自社株買い・無借金化・再投資のどこに向かったか——現金の流れを数年単位で追うと、経営の姿勢が読める。
いまJINGIがカバーする銘柄の中で、この概念が顕著に現れている一社が トヨタ自動車株式会社(7203)。累計営業CFは200,539億円で、数年ぶんの営業CFを合計した「稼ぐ現金の実力」がこの水準にある。
ほかに累計営業CFが大きい例:ソニーグループ株式会社(71,888億円)、ソフトバンクグループ株式会社(34,920億円)。
選抜は累計営業CFが大きい順=稼ぐ現金の実力が顕著な例で、銘柄の優劣や投資判断を示すものではない。カバー銘柄や決算の更新に応じて自動で入れ替わる。数値は概念の例示である。
合計する年数で印象が変わる。何年ぶんを足すか、どの年を含むかで数字は動く。同じ年数・同じ期間で他社と比べる。
営業CFは会計上の利益より操作しにくいが、運転資本の一時的な増減(前受金の急増など)で膨らむこともある。何がCFを押し上げたか、中身も見る。
累計営業CFは「稼ぐ現金の実力」を測る物差しであって、投資判断の信号ではない。設備投資(投資CF)を引いたFCFと併せて、自由に使える現金がどれだけ残るかまで見る。