実質キャッシュ(純現金)が時価総額に占める割合。
投資での見方:大きいほど、時価総額に対して手元の純現金が厚いことを表す。
現金/時価は、純現金(現金−有利子負債=ネットキャッシュ)が時価総額に占める割合だ。「市場がつけた会社全体の値段のうち、どれだけが手元の純現金で裏打ちされているか」を表す。50%なら、時価総額の半分が純現金——事業価値は残り半分、という見方になる。
バリュー投資でこの割合を見るのは、それが安全域の一つの層だからだ。純現金が厚いほど、株価の下値が現金で支えられ、実質PER(現金を除いた事業への倍率)は低く出る。市場がその現金を価値として織り込んでいない(現金/時価が高い)会社は、構造的な余裕を持つことがある。
ただし現金の「質と使途」で意味が変わる。事業に使われる予定の現金か、余っているだけの現金か、いずれ再投資や還元に回るのか。厚い現金が株主価値に繋がるかは、経営の資本配分次第だ。
いまJINGIがカバーする銘柄の中で、この概念が顕著に現れている一社が 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)。現金/時価は252%で、時価総額のこの割合が手元の純現金で裏打ちされている。
ほかに純現金の厚い例:株式会社はてな(75%)、株式会社マクアケ(64%)。
選抜は現金/時価が高い順=概念が顕著に現れている例で、銘柄の優劣や割安・投資判断を示すものではない。カバー銘柄や株価の更新に応じて自動で入れ替わる。数値は概念の例示である。
現金/時価が高い=割安、とは限らない。現金が事業に活かされず、稼ぐ力が乏しければ、厚い現金は「価値の低い会社に現金が積まれているだけ」のこともある。
純現金は現金−有利子負債。現金だけを見て借金を見落とすと、実質の手元現金を過大評価する。
現金/時価は「時価に対する純現金の厚み」を測る物差しであって、投資判断の信号ではない。現金の質・使途・稼ぐ力と併せて読む。