数年ぶんの成長を1年あたりに均した年平均成長率。
投資での見方:売上CAGRとEPS CAGRの差で「成長が1株利益に乗っているか」を見る。
CAGR(年平均成長率)は、数年ぶんの成長を「1年あたりの複利の率」に均したものだ。たとえば5年で売上が2倍になったなら、年あたりの複利成長率は約15%。単年の増減に振り回されず、中期の成長ペースを一つの率で掴める。
バリュー投資で複利が重視されるのは、時間をかけるほど効果が大きくなるからだ。年15%でも5年で約2倍、10年で約4倍になる。「そこそこの成長が長く続く」ことが、大きな成長が一度あることよりも効くことがある——複利は年数が効く。
売上CAGRとEPS(1株利益)CAGRの差を見るのが要点だ。売上は伸びているのにEPSが伸びていなければ、成長が利益に変わっていない(利益率の低下や増資による希薄化)。逆にEPSが売上以上に伸びていれば、利益率の改善や自社株買いが効いている。
過去のCAGRは、あくまで「これまでどれだけ伸びたか」の記録だ。基数(元の大きさ)が小さいうちは高い率が出やすく、規模が大きくなると同じ率を保つのは難しくなる。持続性は事業の中身から別に見る。
いまJINGIがカバーする銘柄の中で、この概念が顕著に現れている一社が 株式会社GENDA(9166)。売上CAGRは152.0%、EPS CAGRは-46.7%。売上の伸びが1株利益にも乗っているかは、二つのCAGRの差で読める。
ほかに売上CAGRが高い例:ソニーグループ株式会社(売上CAGR 135.4%)、カバー株式会社(売上CAGR 131.9%)。
選抜は売上CAGRが高い順=概念が顕著に現れている例で、銘柄の優劣や投資判断を示すものではない。カバー銘柄や決算の更新に応じて自動で入れ替わる。数値は概念の例示である。
過去のCAGRは将来を保証しない。高い成長率ほど、規模の拡大とともに鈍化しやすい(基数効果)。過去の率をそのまま将来に伸ばして考えるのは危うい。
起点と終点の1年で率が大きく変わる。一過性の急伸・急落を起点/終点に含むと、実態より高く/低く出る。前後の推移とならして見る。
成長は「質」とセットで見る。増資を繰り返して売上だけ伸ばしても、1株の価値は増えないことがある。CAGRは「成長ペースを掴む物差し」であって、投資判断の信号ではない。