一時的な浮き沈みをならした「平常時の1株利益」。
投資での見方:シミュレーターで上げると理論株価は上がる。単年の特需/特損に振らされないための基準値。
正常化EPS(normalized EPS)は、特需・特損・一過性の費用や利益といった"その年だけの事情"を取り除き、平常時に会社が生む1株利益の実力値を推し量ったものだ。
単年のEPSは、資産売却益・減損・災害・一時的な需要変動などで大きく上下する。正常化EPSは、複数年をならしたり異常項目を除いたりして"巡航速度"の利益を近似する。景気や事業に循環がある会社ほど、この平準化が効く。
バリュー投資が正常化EPSを重視するのは、ピークの利益で価値を測ると高値掴みに、谷の利益で測ると過度に悲観になりやすいからだ。今がサイクルのどこかを意識し、正常な利益で価値を考える。
"何が一時的か"の線引きには主観が入る。都合よく異常項目を除くと、正常化EPSは実力を上振れさせてしまう。
構造的に利益が落ちている会社を"一時的"と誤読すると、正常化EPSが過大になる。循環的な下落と恒久的な劣化を取り違えない。
正常化EPSは実力を推し量る一つの見立てであって、確定値ではない。前提と複数年の推移を併せて読む。