設備を維持するのに必要な投資額の目安(対 減価償却)。
投資での見方:減価償却を大きく超える投資が続くと現金が残りにくい。
維持capex(維持設備投資)は、事業を成長させるためでなく、"今の生産・営業の能力を維持する"のに必要な設備投資の目安だ。総設備投資のうち、成長投資を除いた"現状維持に要る分"にあたる。
FCF(オーナー利益)を厳密に測るとき、営業CFから引くべきは本来この維持capexだ。減価償却は過去の投資の会計配分にすぎず、実際に設備を保つのに要る現金とはズレることがある。
バリュー投資で維持capexを意識するのは、"自由に使える現金"の実力を正しく測るためだ。減価償却を大きく超える投資が続く事業は、稼いだ現金が設備維持に吸われ、株主に残りにくい。
維持capexと成長capexの線引きは開示されず、外部からは推定に頼るしかない。減価償却を代理値に置くのは近似で、業種により実態とズレる。
投資は年で凸凹する。単年の設備投資額で判断せず、複数年でならして"維持に要る水準"を見る。
維持capexの多寡は事業特性を映すもので、それ自体は割安・割高を語らない。現金創出力を読むための一要素だ。