市場全体の動きに対する、その株の値動きの感応度。
投資での見方:値動きの荒さの目安。売買のシグナルではない。
β(ベータ)は、市場全体の動きに対する、その株の値動きの感応度だ。βが1なら市場と同じ幅で動き、1より大きいと市場より激しく、小さいと穏やかに動く傾向を表す。現代ファイナンス(CAPM)では、このβが「リスク」の代理指標とされ、割引率の算出に使われる。
ただしバリュー投資では、βをリスクの指標として重視しない立場が有力だ。ウォーレン・バフェットは、株価が大きく動くこと(β)と、事業の本当のリスク(永久に資本を失う可能性)は別物だとして、βを明確に否定している。安く買えるほど株価は下振れしていてβは高く出るが、それはむしろ好機かもしれない——βはそこを取り違える。
JINGIも、価値評価の割引率にβを機械的には使わない。βは「株価の振れやすさ」という市場の事実として参考にはなるが、事業そのもののリスク——構造が傾く可能性、稼ぐ力が続くか——は、βでなく一次情報の構造から読む。
βは「株価の振れやすさ」であって、「事業の本当のリスク」ではない。値動きが荒い=危ない、とは限らない。
βは過去の値動きから算出され、将来を保証しない。市場環境や算出期間で大きく変わる。
βは市場の値動きを測る参考値であって、投資判断の信号ではない。事業のリスクは構造から読む、というのがバリュー投資の立場。